金利についての基礎知識。住宅ローン事情

住宅ローンには変動金利タイプと固定金利タイプがあります。どちらの金利タイプにもメリットがありますが、このメリットは金利市場の動向により、その効果を発揮します。

変動金利は金利市場が横ばい又は下がっている時には有効な金利タイプです。変動金利とは文字通り金利が変動するタイプです。金利市場で基準金利が下がっていけば、住宅ローンの金利も一緒になって下がっていきます。

インフレーションの時期からデフレーションの時期へ変化するタイミングでは変動金利タイプを選択すると良いです。一方、固定金利タイプはインフレーション時に効果を発揮する金利タイプです。固定金利とは、あらかじめ定められた一定期間、金利が固定されるというものです。

3年固定から35年固定まであることが一般的ですが、最近では1年固定の金利タイプも出てきました。固定金利タイプは、当面の金利が固定されるため、計画的に返済を進めていきたいと考えている人にとって向いている金利タイプと言えます。

金利市場を見ながら金利タイプを選ぶことになりますが、その見極めはそれほど簡単なものではありません。変動金利にするか固定金利にするか悩むこともあると思います。このような悩みをニーズとしてとらえた住宅ローンも最近登場しています。

それはミックス金利というタイプのものです。ミックス金利とは変動金利と固定金利の両方を選べるというものです。金利の動向を読むことに自信がない人にはお勧めの住宅ローンです。これから住宅ローンを組む方も将来の借り換えを視野に入れると金利選択の判断基準が増えるので住宅ローンの見直し(借り換え)のサイトも参考にしてみて下さい。

 

住宅ローンの借り換えが注目される理由

過去に家を購入した人で住宅ローンの返済が厳しくなっている方も多いと思います。これは当然収入面の問題もあるとは思いますが、こういった人に共通な問題が「当時の金利が非常に高かった」ということが大きくあげられます。過去2000年前後ではインフレの影響で金利が非常に高い時期がありました。

まだ15年ほどしか経っていませんが例えば変動金利で借りた人の場合は当時の最高で8%程度で借りた人もいます。でも現在では金利は非常に落ち着いていてこの10年ほどで変動金利で2%前後で横ばいになっています。そしてこれは今後も続いていくだろうと予想されています。2000年から2005年までの間に急激に金利が下がったのでこの5年間に住宅ローンを組んだ人は当然ものすごい返済をしていることになります。こういった背景から最近よく目にするのがローンの借り換えです。

借り換えとは他の金融機関のものと思われがちですが、実は今の融資先の銀行でも借り換えを行っています。なぜこれが知らされないかというと、銀行側の規約で勧誘方針というものがあり、こういった過度な競争はしないように規制されているからです。この勧誘方針に沿わない勧誘をすると銀行側にペナルティが与えられます。利用者側から行動しないと借り換えが出来ないため、注目される理由になっているのです。今まだ高い金利で返済している方はなるべく早い時期に借り換えをすることをおすすめします。わからない人は住宅ローンの代理店でも相談することが出来ます。

またそのルートからシミュレーションから返済プランの提案までをしてもらえて、代理で申し込みなどもしてもえます。こういった方法も自分で全てを探すよりも正確で早くできる有効な方法です。このように住宅ローンの借り換えは自分から行動しなければ高い金利で払い続けることになってしまいます。ぜひ早期の検討をおすすめします。

 

「フラット35」とは?特徴・メリット・注意点を徹底解説

住宅ローン選びの中でも必ず一度は選択肢に上がる「フラット35」。でも通常の住宅ローンとの差異がわからず、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか?ここでは「フラット35」の特徴やメリット・注意点についてご紹介していきます。

『フラット35』とは?

「フラット35」とは、長期固定金利型住宅ローン(旧名称:証券化支援による新型住宅ローン)のこと。「住宅金融支援機構」が様々な民間の金融機関(都市銀行・信託銀行・地方銀行・信用金庫等)と提携し、住宅購入者への資金融資を行っています。

かつては国土交通省(以前は建設省)・財務省による特殊法人である「住宅金融公庫」が証券化支援事業の一環として2003年からシステムを始動させていましたが、住宅金融公庫は2007年3月を持って廃止され、独立行政法人である住宅金融支援機構がその業務を受け継ぐ形となっています。

フラット35(買取型)のシステム

「フラット35」のローン資金を融資するのは民間の各金融機関です。このローンを金融機関から住宅金融機構が買取り、ローン担保として債券を発行します。証券化された債券が市場に出回ることで、機構は投資家から資金を調達。この資金が融資を行った各金融機関へと回されるのです。

金融機関から機構がローンを買い取る形であることから、フラット35は「買取型長期古典金利住宅ローン」(略称・買取型)と呼称されることもあります。

フラット35(買取型)の主な特徴

「フラット35」に民間ローンとは違う様々な特徴がありますが、大きくまとめると以下の3つが挙げられます。

  • 通常の住宅ローン(変動金利型)とは異なり、金利は返済期間中に変動することがありません。
  • 返済期間が最長で35年間(フラット50の場合は50年)と長期的に設定されています。
  • 保証料・繰り上げ返済によって通常発生する手数料が無料となります。

フラット35を選ぶメリットは?

返済の立案(返済計画・ローン返済額シミュレーション)が行い易い

前述のとおり「フラット35」(買取型)は全期間固定金利住宅ローンです。そのためローン資金を民間金融機関から受け取った際に、返済終了時(最終返済)までの借入金利額、返済額が確定されます。この額は返済期間中に変動することはありません。月々の返済額も一律に定められています。

一般的な変動金利型住宅ローンの場合、市場の金利に応じて金利・返済額が変動するため、返済計画が立案が難しく、予定と異なる状況になる可能性は避けられません。しかし固定金利型であれば収入の中の何%を何年間ローンに回すべきかを比較的容易に計算できます。

ローン審査基準が比較的ゆるい

住宅ローン申請では申込にあたって審査基準が設けられています。審査基準はローン内容、各金融機関によって異なりますが、「フラット35」の場合、通常の住宅ローンに比較すると審査基準はやや緩和されている傾向が見られます。

【フラット35の主な審査基準(申込条件)】

  • 年齢満70才未満(リレー返済の場合は70才以上も申込可能)
  • 総返済負担率(年収に対する借入額の率)は年収400万以上の場合35%以下、年収400万円未満の場合30%以下
  • 日本国籍所持、もしくは「出入国管理及び難民認定」による永住許可、「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」規定による特別永住者
  • 土地取得費を含む住宅建築費が消費税込み1億円以内(もしくは住宅購入価額が1億円以内)・融資金額は100万円以上・8,000万円以内

70才未満で定められた収入のある人であれば、原則誰でも申込が可能ということです。対して通常の変動金利型住宅ローンの場合、この他に下記のような基準が設けられることがほとんどとなります。

【民間住宅ローンで設けられやすい審査基準】

  • 勤続年数(1年以上/3年以上等)
  • 雇用形態(自営業者対象外、契約社員・派遣社員対象外等)
  • 勤務業種
  • 雇用先規模
  • 所有資産

つまり変動金利型民間住宅ローンの場合、自営業者や転職間もない人は審査に通らない可能性が高くなります。住宅ローンの審査は一度落ちても他の金融機関に申し込むことが可能ですが、闇雲に申込を続けると金融機関側も不信感を高め、審査が通りづらくなる危険性も考慮しなくてはなりません。「審査に不安がある」という人の場合、比較的基準判定がゆるい「フラット35」は安心感のある存在となってくれるでしょう。

団体信用生命保険への加入は必須ではない

民間の変動型住宅ローンの場合、団体信用生命保険の加入は不可欠です。そのため持病等があり生命保険への新規加入が困難である人の場合、この時点で住宅ローン借入を行うのが難しくなります。

これに対し「フラット35」では住宅金融支援機構による機構団体信用生命保険特約制度への加入が推奨されてはいるものの、加入が絶対条件とはなっていません。現在健康状態が良好ではなく、民間住宅ローンでの借入が難しい場合には「フラット35」は助かる存在です。

とは言え万一のトラブルを考えた場合、既存加入している生命保険で返済を行えるかどうかは非常に大切です。加入済みの生命保険の契約内容・特約の種類等はよく確認しておきましょう。

繰り上げ返済手数料が発生しない

一般的な金利変動型住宅ローン(民間)の場合、繰り上げ返済時の手数料は有料となります。手数料の金額は金融機関によって異なるものの、一部返済で窓口で専用機械を使った場合の手数料が5,000円前後、書面を使った手数料が16,000円以上となるケースも少なくありません。

金融機関によってはインターネットバンキング利用での繰上げ返済手数料を無料としているところもありますが、この対応有無は機関によって大きく異ってきます。選んだ金融機関によっては「繰り上げ返済をするたびに出費が嵩む」という住宅ローン貧乏の一因となる可能性もあるでしょう。

その点「フラット35」では繰り上げ返済の手数料は一律0円(手数料無料)と設定されています。余裕を持った返済計画を立てられる人には向いたシステムです。

保証料0円、保証人の必要無し

民間の金利変動型住宅ローンでは、借入者の債務履行の責務が果たされない場合のために保証人を必要とします。簡単に言えば「借入者(ローン申請者)が返済できなくなった時のため」の保証(弁済)を行う人ということです。

従来は親族等に保証人になってもらうケースが殆どでしたが、現在では近親者であっても保証人を断るケースが多く、結果的に保証会社が一時弁済をする保証人となっています。民間住宅ローンでは借入時に保証会社に一定の保証料を支払い、連帯保証人となるシステムが一般的です。保証料は金融機関によっても異なりますが、50万円以上を借入時に支払うケースが殆どです。

その点「フラット35」では保証料が発生せず、また保証人の必要もありません。これは住宅支援機構そのものが保証人になってくれるからです。政府の管轄である行政法人が保証人となるため、融資を行う金融機関側の信頼度が高いというメリットも生まれます。

フラット35の注意点は?

金利が平均して高い傾向にある

「フラット35」の金利は、変動金利型住宅ローンに比較すると平均して高めの傾向にあります。ここでは「フラット35」を扱う民間金融機関のひとつである「楽天銀行」の場合で見てみましょう。

【楽天銀行の金利設定(2015年12月1日現在)】

  • 固定金利 フラット35の場合:15年~20年→年1.28% 21年~35年→年1.55%
  • 変動金利(金利選択側) 年0.6508%(一例)

※融資率9割以下(住区建築費・住宅購入価額が借入額90%以内)の場合

上記の金利幅で35年の返済を考えた場合、借入金額1,000万~1,500万程度であれば月々の返済差額はは5,000円~7,000円程度。しかし2,500万円~3,000万以上の融資を受ける場合、返済額に10,000円以上の差額が出る可能性も出てきます。

これは融資を行う金融機関側のリスク回避が関係しています。市場金利が万一上昇を見せた場合でも、金融機関側は固定金利ローンについては金利を上げることができません。金融機関の収益となる筈の利子を取れず、機関の損失となる可能性が考慮され、金利が高めに設定されているのです。

市場金利が下がった場合でも旨味は無い

変動型住宅ローンの場合、市場の傾向によって金利が下降すればその分返済額が下がる可能性も大。しかし固定型の「フラット35」の場合には金利が一定であるため、万一金利の大幅な下降が見られた場合にもその恩恵(返済額の減額)を受けることはできません。

今後の市場金利動向に大幅な上昇傾向が見られる場合には「フラット35」の固定金利は安心感の一つとなりますが、下降動向が見られる場合には損となる可能性も考慮しておく必要があります。

建物の審査基準が比較的厳しい

借入者(ローン契約者)の審査基準は比較的ゆるい「フラット35」。しかし建物(物件)については住宅金融支援機構による独自の技術基準が定められており、この基準に適合しない場合にはローン審査に通りません。

【「フラット35」の主な住宅技術基準(2015年12月現在)】

  • 一戸建て住宅の場合、住宅床面積(建築基準法に則った延べ面積)が70平米(㎡)以上であること
    ※一戸建て住宅には連続建て・重ね建てが含まれます。
    ※車庫の面積は床面積に含まれません。
  • 共同建て住宅(マンション等)の場合、住宅床面積が30平米(㎡)以上であること
    ※共用部分(廊下・エレベーターホール・階段等)や車庫を除いた床面積です
  • 木造住宅は一戸建て・連続建てのみが基準内となり、重ね建ては対象となりません。
  • 店舗・事務所等が住宅内にある併用住宅の場合、住宅として使用する床面積が店舗・事務所用途の面積よりも広く取られていること
    ※原則、床面積全体の1/2以上が住宅部分であることが必要です
  • 2部屋以上の居室が有り、炊事室(台所)・トイレ・浴室が設置されていること
    ※浴槽の無いシャワー室やサウナは浴室に含まれません
  • 外壁・天井もしくは屋根・床下に住宅性能表示制度の断熱等性能等級2レベルに相当する厚さの断熱材が使用されていること。
  • 住宅の敷地が一般交通用道路に2メートル以上接していること
  • 住宅間・もしくは住宅/住宅以外の部分が耐火構造もしくは1時間準耐火構造で区画されていること
  • 共同住宅(マンション等)の場合、均質単板スラブ15センチ以上、もしくは同程度の遮音効果がある床下素材構造となっていること
  • 共同住宅(マンション等)の場合、管理規約及び20年以上の長期的修繕計画が定められていること

上記のような技術基準については適合証明機関に申請の上「適合証明書」を取得する必要があります。適合証明は住宅金融支援機構指定の機関もしくは適合証明の資格を有した技術者に審査を依頼しますが、この適合証明にかかる実費はローン申請者(借入申込者)が負担しなくてはなりません。

なお一般的な新築一戸建て・新築共同住宅(マンション)の場合には現行の建築基準法に則った施工が行われているため、上記の基準に通らない心配は殆ど無いと言えます。ただし別荘用等の特殊な物件建築、中古住宅の購入等の場合には事前に基準に適合するものであるかをよく確認した方が良いでしょう。

繰り上げ返済がやや行いづらい

「フラット35」では繰上げ返済の最低金額を原則100万円以上からと設定しています。ただし2014年(平成26年)の7月29日より、住宅金融支援機構のオンラインサービスである「住・My Note(す・まい のーと)」を使用しての一部繰上げ返済については最低金額が10万円以上(手数料無料)という緩和対策が取られてもいます。

とは言え民間の一般的住宅ローンが1円からでも繰上げ返済の対応を行っているのに比較すると、やや繰上返済が行いづらい面は否定できません。「一定金額が貯まるまでは返済できない」というシステムが合わない人もいることでしょう。また「1円でも早くローンを完済して心労を減らしたい」という人の場合、収入が上がっても繰上げ返済が即時に行えない点を不満に感じることもあるようです。

まとめ:「フラット35」に向いている人は?

「フラット35」の様々な特徴は以下のような人に向いていると言えます。

  • 返済計画を簡単に把握したい、ライフプランを詳細に立案したい
  • 市場金利動向に不安を持ちたくない
  • 自営業転職間もない勤務先が小規模等、住宅ローン審査に不安がある
  • 健康状態にやや問題が有り、新規での生命保険加入が難しい可能性がある
  • 収入に余裕が見られた場合、10万100万円単位での繰上げ返済用貯蓄を別途行う計画性がある
  • 共働き収入に余裕が有るなど、20年以内の返済が可能で比較的安価な金利を選べる
  • 対象物件は一般的な一戸建てマンションである
  • 頭金諸費用等は借入の必要が無い

独特のシステムを理解しそのメリットを享受できる人にとって「フラット35」は非常に頼りになる固定金利型住宅ローンです。良い面・悪い面をしっかりとチェックして、ご自分の返済スタイル、今後のライフプランに合っているかを考えてみましょう。